HTML5とMonacaでつくるハイブリッドアプリ
モバイルアプリの開発アプローチとして、以前ハイブリッドアプリを紹介しましたが、
ハイブリッドアプリの開発環境をクラウドで提供するMonacaを利用して実際にアプリを開発したところ、
好感触だったためMonacaの特徴を紹介します。
Monacaとは?
Monacaとは、ハイブリッドアプリの開発環境を提供するクラウドサービス。
短時間(10分程度)でハイブリッドアプリの開発環境を整えられる事と、ブラウザだけで利用出来る事が特徴です。
また、Adobe社が買収した事でも知られるPhoneGapを採用しており、JSから一部のネイティブ機能を使用可能です。
通常iOS向けのアプリを開発しようとすると、MacOSのPCで開発環境を整える必要がありますが、
Monacaを利用する事でWindowsOSユーザでもiOS向けのハイブリッドアプリが開発出来ます。
また、Monaca専用のデバッカーアプリをインストールする事で、開発途中のアプリを実機に転送する事なく容易にデバッグが出来るなどハイブリッドアプリ開発を強力に支援してくれます。
Monacaを使ったハイブリッドアプリ開発
Monacaでのハイブリッドアプリ開発は、ブラウザよりMonacaが提供するIDEを立ち上げてブラウザ上で編集する、いわゆるウェブアプリです。
特筆すべきは各端末(iOS/Android/Windows8)向けにリリースされているデバッカーとの連携で、
従来ハイブリッドアプリを開発する際はPCのブラウザで開発を進めて、要所で端末に転送して実機で確認する形が多いと思いますが、
MonacaではIDEで編集後、保存を行うと自動でデバッカーアプリが同期を取り随時最新の状態が実機で動作確認が出来ます。
このデバッカーアプリは開発者にとっては非常に便利な存在ではないでしょうか。
また、2013年7月現在β版にも関わらず公式のドキュメントが非常に充実しています。
(ドキュメントも力を入れて作成しているようです)
実務レベルのアプリ開発には相応のスキルが必要ですが、まずはお試し程度にハイブリッドアプリを開発してみたい、
といった状況であれば下記公式のクイックスタートが非常に参考になります。
参考:Monacaクイックスタート
クイックスタートの中でも簡単に触れられていますが、Monacaのネイティブ機能を使って、
ネイティブアプリさながらのアプリデザイン(UI)を構築すると本格的なアプリになります。
特に、ネイティブアプリで象徴的なツールバー(画面上部のボタン、タイトルを配置した領域)とタブバー(画面下部の切り替えタブ)を組み込むと完成度がぐっと上がります。
Monacaの利用料金
Monacaは2013年7月現在β版として無償で提供されています。
現在提供している基本機能は将来的にも無料で提供予定との事ですが、今後追加される拡張機能は一部有料になる可能性ありとのこと。
参考:公式FAQ:Monacaは無料で使えますか?
各アプリストアへの登録申請
各アプリストアへの申請はまだ行っていませんが、リリース用にアプリをビルドする必要があります。
手順はMonaca公式ドキュメントが参考になります。
参考:配信・マーケットでの配布
また、各アプリストア毎に登録必要がかかります。
厳密にはアプリ登録に費用がかかるわけではなく、ストアへ開発者として登録するための費用が必要です。
2013年7月現在、開発者登録には下記費用が必要です。
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Google Play(Androidアプリ)は25ドル(初回のみ)
参考:デベロッパーの登録 - Android Developer ヘルプ -
App Store(iOSアプリ)は8,400円もしくは24,800円
参考:プログラムへの登録 - iOS Developer Program
最後に
HTML5、CSS3、JSに長けたエンジニアのノウハウをモバイルアプリ開発に活かせる、という点でMonacaは魅力的な選択肢ではないでしょうか。
端末(ハードとソフト双方)が進化すれば、ハイブリッドアプリのパフォーマンスがネイティブアプリと比べても遜色のないレベルに達することも考えられ、Monacaの今後に注目しています。
JS(PhoneGap)を使ってアクセスするネイティブ機能が今後充実していく事が予想され、またそこに期待しています。